もっと泣かせて愛したい。【書籍タイトル:一途なイケメン幼なじみは、愛が重すぎる溺愛男子でした。】
「…え?」
行けって、どこに…
「…そんな顔させられる奴のとこ。
俺は笑ってる紗英が好きだから」
京星くんが私に向かって手を伸ばしたけど、ぐ、とこらえるように止まって
引っ込められた手はポケットを探った。
「…あ。奇跡的に持ってたわ」
京星くんが綺麗に畳まれたハンカチを、私に渡してくれる。
「俺は泣いてる紗英は見たくないから」