もっと泣かせて愛したい。【書籍タイトル:一途なイケメン幼なじみは、愛が重すぎる溺愛男子でした。】
「悪魔ぁ!」
「はは、いきなり呼び出して何それ?てかどーしたの、このバンソウコー」
休み時間、私はハヅキを呼び出した。というか拉致した。例のごとく、屋上前の階段踊り場に。
もちろん、例の私とハヅキが付き合ってるとかいうファンタジーについて話し合うためだ。
なのに!
ハヅキが私の頬に貼られた絆創膏に触れる。
…いつのまにか距離が死ぬほど近い。
「痛い?」
なんてやけに優しい声で聞いてくるハヅキ。
触り方もなんか、なんていうか…いやらしい!!
「っあんたのせいでしょ!」
この変に湿った空気を打破するため私は大声で叫んだ。
ハヅキの手を振り払って距離を取る。
「あんたが昨日噛みつくから…!」
「あぁ、そういえばそうだっけ」
「そういえば!?そうだっけ!?」
「心配しないでよ」
ハヅキが再び近づいてくる。
逃げようとしたけど、すぐに背中がバンッと壁にぶつかった。
「顔に傷つけた責任はとってあげる」