もっと泣かせて愛したい。【書籍タイトル:一途なイケメン幼なじみは、愛が重すぎる溺愛男子でした。】
「はぁぁぁぁぁ~…」
無意識のうちに零れるため息は重い。
それもこれも全てあの悪魔のせい!
あの悪魔のせいで、今日一日陰口の嵐。
「ほんと何であの女なの!?
だいたい渓渡とも釣り合ってなかったくせにハヅキまで…!」
「けっきょく渓渡には浮気されて捨てられたんでしょ?」
「でも別れたら速攻次!なんてあっちも大して好きじゃなかったじゃん?結局」
「ほんと厚かましいよねー、よりによって狙うのがハヅキとか!」
っよし!もう思い出すのはここら辺でやめとこう。
これ以上は心が耐えられない…
さぁ早く帰って途中コンビニでお菓子でも買ってこ!と気持ちを切り替えて下駄箱からローファーを取りだした時だった。
「紗英!」
振り向くと、息を切らした渓渡が立っていた。
しかもなんか怒ってる。超私のこと睨みつけてるよ。
「え…渓渡…なに」
「この嘘つき女!」
えっ何!?今日ってもしかして私、一生分誰かに罵倒される日なの!?