もっと泣かせて愛したい。【書籍タイトル:一途なイケメン幼なじみは、愛が重すぎる溺愛男子でした。】
しかも私、こいつにだけは罵倒される筋合いないんだけど。
怒りたいなのはこっちなんだけど!?
「う、嘘つきって…意味わかんないんですけど!?」
私も負けじと睨み返した。
渓渡変わったな。
つきあってた頃は、そんな目で私を見たことなんて一度もなかったのに…なぜか左頬に大きい白いシップが貼られてるし。
「はぁ!?ほんと騙されたわ。けっきょく浮気してたのはソッチも一緒じゃねーか」
明らかに苛ついている渓渡が吐き捨てるように言う。
「あのさ…まだ誤解してんの?だから、私は浮気なんてしてな」
「昨日わざわざ高橋葉月が俺んちに来た」
「…え」
ハヅキが!?
「どーせお前が家教えたんだろ」
「ち、ちが…」
慌てて首を横にふる。
だけど渓渡は全然信じてないみたいだった。
「ま、んなのこの際どっちでもいいけど」
私を冷たい目で睨みつける。