もっと泣かせて愛したい。【書籍タイトル:一途なイケメン幼なじみは、愛が重すぎる溺愛男子でした。】
「でっ?彩心何作るか決めたのー?」
私は彩心のスマホを覗き込んだ。
彩心は今バイト先の常連さん(サラリーマン風男性推定年齢31)に片想いしていて、今年のバレンタインにチョコを渡したいんだそうだ。
「…まだ。いつも甘いものオーダーするから、甘いものがいいなぁとは思ってるけど」
「へぇ〜!甘党!スウィーツ男子!いいねぇっヒューヒュー!」
「いやノリが古い、しかも鬱陶しい」
仕方ないじゃんか…今私は他人の恋愛でしか盛り上がることのできないサビシイ人間なんですよ…
なんて傷心していると、
「なになに、2人ともチョコくれんの?さんきゅー!」
私たちの会話を盗み聞きしていたらしい近藤が話に割り込んできた。
「いやあんたのチョコじゃないから」
クールビューティー彩心がそれを一蹴する。
「えぇーっなんだよそれ!ケチ!なぁハヅキ?」
「そうだね、翔真」
顔を見合わせる近藤とハヅキ。
…って。
…ハヅキ!?……翔真!?