もっと泣かせて愛したい。【書籍タイトル:一途なイケメン幼なじみは、愛が重すぎる溺愛男子でした。】
「ハヅキが転校してきた日、俺、願い事なんでも一つ聞くから早見の隣の席譲れって言われただろ?」
「あー…そういえばそうだっけ」
「で。俺がした願い事は“俺と友達になること”。なんでだと思う?」
「えぇ?近藤に友達がいないから?」
「ちっげーわいるわ友達!じゃなくて、ハヅキほど顔がいい奴そうそういないだろ?だから、ハヅキと友達になればカッワイイ女子めちゃくちゃ紹介してもらえると思ってさ!」
そしてグッと親指を立ててくる近藤。
いや、グッの意味がぜんぜん分かんないんだけど。
「…もしかして近藤の言ってた高等な作戦ってそれ?」
「そうだけど?」
近藤はアホだ。
それだけが分かったとき、私たちの背後から
「翔真」
静かな声で、ハヅキが呼んだ。