もっと泣かせて愛したい。【書籍タイトル:一途なイケメン幼なじみは、愛が重すぎる溺愛男子でした。】
「え!?ほんとに!?」
「うん。そういうことにしといて」
「どういうこと!?」
ハヅキはいつのまにか読書に戻っている。
彩心も前を向いてスマホに夢中だし。
残されたのはチョコの雑誌と私だけ…
そして次の日も。
今度は昨日とは違うバレンタインレシピの雑誌が置かれていた。
しかも全ページカラーですごく作り方が詳しくのっててめちゃくちゃ高そうなやつ…!
パラパラ捲っていると、なんと所々にマーカーがひかれていた。
しかも物凄く達筆な字で「これは難しい」だの「難易度★★★」だの補足してある。
このやたら達筆な字…
どこかで見覚えがある。
「ねぇねぇハヅキ、バレンタイン何がいいー?」
「ハヅキって甘いの食べれるのー?」
そしてその“見覚え”は今、隣で今日も女子に囲まれていた。