もっと泣かせて愛したい。【書籍タイトル:一途なイケメン幼なじみは、愛が重すぎる溺愛男子でした。】
「ごめん、ちょっと通してくれる?」
教室の入り口で友達と喋っていた田口くん。
廊下に出るのに通してもらおうとポンッと後ろから肩を叩いた。
別に今までもしていたフツーの行為。なのに、
「あ、うんごめ…うわぁぁぁぁ!」
「!?」
田口くんは私の顔を見るやいなや、絶叫して飛び退いた。
まるで幽霊にでも遭遇したような反応。
「えっ…ちょっとどうしたの?田口くん」
「いや…別に。な、なんでもない!」
田口くんは怯えたようにそう言って、自分の席に戻ってしまった。
…何事?