もっと泣かせて愛したい。【書籍タイトル:一途なイケメン幼なじみは、愛が重すぎる溺愛男子でした。】
田口くんだけではない。
「沢田ぁ、ごめん。数学のプリント遅くなった~」
それは数学委員の沢田にプリントを提出しようとしたときのこと。
沢田は中学のときからの付き合いだからまぁまぁ仲は良い。
いつものように話しかけただけなのに。
「んだよ、おっせー…うわっ!!」
振り向いた沢田が、私だと気付いた瞬間飛び退いた。
「え…何」
「べ、別に…あぁプリントな…」
私の手からひったくるようにプリントを受け取る沢田。
そして。
「じ、じゃぁ…」
私に近づかないように警戒しながらスススと離れていった。
…私はゴキブリか何かか!?
おかしい。
何かがおかしい。
絶対におかしい。
なんか、クラス中の男子に避けられているような気がする。
そういえば近藤もこないだ、私のこと怯えたような目で見てたし。
というわけで。