ホームズの子孫には敵わない
ホームズさんの顔がゆっくりと近づいてくる。私がギュッと目を閉じると、唇ではなくおでこに柔らかな感触がした。

お酒に酔っている時に、二人からおでこなどにキスをされたことはある。でも二人とも今はお酒なんて飲んでないし……。何でこんな気持ちになるの?

「可愛いな。君の全てを推理したいほど、和香は魅力的だよ」

もう一度キスをされ、ホームズさんはいたずらっぽく微笑む。私が顔を赤くして口をパクパクしていると、「ホームズ!」とワトソン先生がホームズさんを押しのけた。

「次は僕の番!」

ホームズさんにそう言い、ワトソン先生は私を見つめる。その顔はとても赤くて、いつもより何倍も可愛い。

「和香は、いつも頑張り屋さんでしっかりしていて、僕はずっと尊敬してた。でも、これからは僕も和香を支えたい。特別なことは何もできないけど、幸せにする自信はあります。和香のことが、ずっと好きです」

ふわりとワトソン先生に抱きしめられる。ブワッと体温が上がった気がした。
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