ホームズの子孫には敵わない
「ワトソン、君は本当に食い意地だけで生きているんだな」

「ひどくない!?」

ホームズさんとワトソン先生の会話に笑い、仕事に行く支度をする。

ワトソン先生の診療所で患者さんと向き合い、お昼を食べて、また仕事。

夜ご飯を三人で食べて、話して、一日を終える。流れる時間がとても早い。でも……。

フランスにいた時よりも、身の危険を感じるが多くなったかもしれない。視線を感じることが多いし、車の中に無理やり押し込まれそうになったこともあった。

でも、そのたびにホームズさんやワトソン先生が守ってくれる。私はそのお礼としておいしいご飯を作るんだ。

「和香、ちょっといいか」

夜ご飯を食べ終え、私が小説を読んでいるとホームズさんに話しかけられる。その隣にはどこか緊張したようなワトソン先生もいた。

「はい、何ですか?」

二人とも、手にリボンで飾られた箱を持っている。何だろう?

「これを受け取ってくれない?」
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