溺愛の価値、初恋の値段

「何かしら? もう、お話しすべきことはないと思うけれど?」

「あのっ……ひ、飛鷹くんは、葉月さんのこと……」

「好きではあるでしょうけれど、あくまでも友だちとしてよ。だから………寝てないわよ」

「え」

「最後までは、していない」

(最後までは……ってことは、途中まではしたってことじゃ……)

「どこまでしたかは、空也から聞いてちょうだい」


にっこり笑って、葉月さんはドアの向こうへ消えた。

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