溺愛の価値、初恋の値段
公園の風景も、桜も、あの頃と変わらずここにある。
でも、わたしも飛鷹くんも、あの頃とは何もかも変わってしまった。
それなのに、傍にいるだけで、胸が高鳴る。
手を繋ぐだけで、緊張する。
それでいて、一度触れたら、もっと触れたくなってしまう。
(やっぱり……好き、なんだ)
許されないと思っていたはずなのに。
傍にいることを許されただけなのに。
消えたはずの「好き」という気持ちは、あっという間に舞い戻って来た。