キミ観察日記
 少女は、男の話に相づちを打つこともなく、立ち上がることもなく、ただ、静かにそこに座っていた。

「おっと。話が随分と逸れましたね。

退屈だったでしょう? すみません。

今のは、あくまで私の価値観ですから。

押し付けるつもりも、理解してもらおうとも考えていません。

そうですねえ。
たとえば操り人形であることが幸せなら止めません。

ただ、私の話に少しでもなにか感じられたならば。

キミには、それを大切にしていただきたいとは思いますよ。
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