キミ観察日記
船から降り、車で走ることおよそ20分。
ひとけのない斜面を上がって見えたのは、一棟の木造の建物だった。
「センセイは、いえが、たくさんあるの?」
「たくさんって程ではありませんけどね。幾つか持っています」
「いいか紅花。ここでも、うちにいるときと同じだ。勝手に建物から出たりしないこと」
「うん」
「守れないなら柱にでもくくりつけておくからな?」
「うん」
別荘につくと、車から荷物をおろし中へ運ぶ。
「そら、たかい。ひろい」
「空じゃなくて天井な。綺麗にされていますね。管理が行き届いているというか……誰かに貸したり?」
「ときどき来ては、自分で掃除していますよ」
ひとけのない斜面を上がって見えたのは、一棟の木造の建物だった。
「センセイは、いえが、たくさんあるの?」
「たくさんって程ではありませんけどね。幾つか持っています」
「いいか紅花。ここでも、うちにいるときと同じだ。勝手に建物から出たりしないこと」
「うん」
「守れないなら柱にでもくくりつけておくからな?」
「うん」
別荘につくと、車から荷物をおろし中へ運ぶ。
「そら、たかい。ひろい」
「空じゃなくて天井な。綺麗にされていますね。管理が行き届いているというか……誰かに貸したり?」
「ときどき来ては、自分で掃除していますよ」