キミ観察日記
「半分やるよ」

 少年は、トースターを二つに分けると皿ごと少女に渡す。

 自分は手で持ちかぶりついた。

 そんな二人の様子をみて、少年は無愛想で生意気だが、ひょっとしたら優しいやつなのかもしれないと与一は思う。

「オッサンは自分で作れよ」
「言われなくても自分のものくらい自分で用意する。人からもらったものなんて食う気がしない」

 冷蔵庫をあける与一に、

「でも、ヨイチ、りんごあめたべたよね?」

 少女が首をかしげる。

「あっ……、あれは」
「たべなかったの?」
「……食べたさ」
「センセイからもらったもんね」
「黙って食え」
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