キミ観察日記
「おにいちゃん、ここにすんでいるの?」
「オレはオマエの兄貴じゃない」
「ずっとずっとまえから?」
「関係ないだろ」
「センセイとは、ともだち?」
「うるさいやつだな」
少女が少年と過ごしている様子を端から見て、与一は、複雑な気持ちだった。
「……アイツ。僕以外にも簡単に懐きやがって」
食パンの上に焼いたベーコンとハムを乗せ、少女の元へ向かう。
「紅花。食べるか?」
「ひとくちちょうだい」
「いいぞ」
小さな口を大きくあけてかじると、ちいさな歯形がトーストについた。
「うまいか」
「うん!」
さっきのより旨いだろう?
と言いかけたが、与一は呑み込んだ。
「食い終わったなら歯磨きしてこい」
「うん」
「仕上げは僕がするから持ってこい」
「うん」
洗面所に向かう、少女。
そんな与一と少女の様子をみて、少年が鼻で笑った。
「……なんだよ」
「別に」
「言えよ」
「ただ。過保護な兄貴だなと思っただけだ」
「オレはオマエの兄貴じゃない」
「ずっとずっとまえから?」
「関係ないだろ」
「センセイとは、ともだち?」
「うるさいやつだな」
少女が少年と過ごしている様子を端から見て、与一は、複雑な気持ちだった。
「……アイツ。僕以外にも簡単に懐きやがって」
食パンの上に焼いたベーコンとハムを乗せ、少女の元へ向かう。
「紅花。食べるか?」
「ひとくちちょうだい」
「いいぞ」
小さな口を大きくあけてかじると、ちいさな歯形がトーストについた。
「うまいか」
「うん!」
さっきのより旨いだろう?
と言いかけたが、与一は呑み込んだ。
「食い終わったなら歯磨きしてこい」
「うん」
「仕上げは僕がするから持ってこい」
「うん」
洗面所に向かう、少女。
そんな与一と少女の様子をみて、少年が鼻で笑った。
「……なんだよ」
「別に」
「言えよ」
「ただ。過保護な兄貴だなと思っただけだ」