キミ観察日記
「ムシくんでしょ?」
少女が、コップと歯ブラシを持ってやってきた。
「……はあ?」
「かいてあったよ。おさらに」
「そういえばそうだったな」
少年が面倒そうに答える。
「ムシくん!」
「虫ではない」
「なあ。それってどんな字だ?」
与一の問いかけに、少女が空中に指で文字を書いた。
「草冠に。……よくわからんな。 なにがムシなんだ?」
「よく一度見ただけで覚えたな」
「ああ、そうか。草冠に、糸、虫で【繭】だな」
「オッサンは呼ぶな」
「だったらムシくんと呼ぶぞ」
「呼ぶたびにオマエの爪、一枚ずつはがしてやるよ」
「……は?」
「もう会うこともないだろうが」
そういうと、繭は、部屋に戻っていった。
少女が、コップと歯ブラシを持ってやってきた。
「……はあ?」
「かいてあったよ。おさらに」
「そういえばそうだったな」
少年が面倒そうに答える。
「ムシくん!」
「虫ではない」
「なあ。それってどんな字だ?」
与一の問いかけに、少女が空中に指で文字を書いた。
「草冠に。……よくわからんな。 なにがムシなんだ?」
「よく一度見ただけで覚えたな」
「ああ、そうか。草冠に、糸、虫で【繭】だな」
「オッサンは呼ぶな」
「だったらムシくんと呼ぶぞ」
「呼ぶたびにオマエの爪、一枚ずつはがしてやるよ」
「……は?」
「もう会うこともないだろうが」
そういうと、繭は、部屋に戻っていった。