キミ観察日記
◇
翌日、与一が少女とやってきたのは、かつて三人できた島だった。
「先生、お久しぶりです」
与一が語りかけたのは――……
「ここに。先生が埋まってるの?」
「ああ」
男の墓だった。
「なんで。だって、マユは。ときどき会うって」
「ここに来てるんだろう。僕と同じように」
「どうしてセンセイは……。まさか。自分で……?」
与一は、頭を横に振る。
「元々、あの人は病を患っていたんだ」
「……え?」
「僕はセンセイを治したくて医者を目指していたっていうのに。こんなのないよな」
与一が墓の前で、目を瞑る。