キミ観察日記
「まっ……て」
「なんだ」
少女に呼び止められた少年が、ピタリと足を止める。
「おにいちゃん、だれ」
「お前の世話を頼まれている者だ」
「どこに、いくの」
「となりの部屋にいる。用があるときだけ呼べ。いいか。どうしても必要なときだけだぞ?」
釘をさす少年の気迫に、少女がひるむ。
「……あの」
「まだなにかあるのか」
「なまえがわからないと。よべない」
少年は、舌打ちをすると
「与一だ」
そう冷たく言い放った。
「……ヨイチ?」
「生意気なガキだな。いきなり呼び捨てか」
「ヨイチおにいちゃん」
「妙な呼び方をするんじゃない」
「…………」
「そうだな。与一様とでも呼んでもらおうか」
「ヨイチサマ?」
「……もういい。与一で」
「なんだ」
少女に呼び止められた少年が、ピタリと足を止める。
「おにいちゃん、だれ」
「お前の世話を頼まれている者だ」
「どこに、いくの」
「となりの部屋にいる。用があるときだけ呼べ。いいか。どうしても必要なときだけだぞ?」
釘をさす少年の気迫に、少女がひるむ。
「……あの」
「まだなにかあるのか」
「なまえがわからないと。よべない」
少年は、舌打ちをすると
「与一だ」
そう冷たく言い放った。
「……ヨイチ?」
「生意気なガキだな。いきなり呼び捨てか」
「ヨイチおにいちゃん」
「妙な呼び方をするんじゃない」
「…………」
「そうだな。与一様とでも呼んでもらおうか」
「ヨイチサマ?」
「……もういい。与一で」