キミ観察日記
「よお、センセイ」

 青年が中に入ると、一人の男がいた。

「こんにちは。今日はどうされましたか」
「ホワイトニングしてくれーーなんてオレが言うと思うか」
「いいえ」

 相変わらず老けない色男に、妖怪めと青年は心の中でつぶやく。

「そういえば。君も今、先生なんですよね?」
「……ンなことより。ほんとによかったのか」

 腕を組み壁にもたれかかる、青年。

「生きてるってこと。オッサンにだけは教えてやってもいいんじゃねえの」
「ということは。黙っていてくれてるんですね」
「ここにいること知ったら飛んでくるぞ。間違いなく」
「彼には平穏な暮らしがお似合いです」
「アイツはセンセイになろうとしてるみてーだけど?」
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