キミ観察日記
「ねえ、ヨイチ」
「なんだよ」
「……ひとから、モノをもらっちゃ、だめ」
箸には手をつけず、ただ、じっと食事を眺めている少女。
「たしかに。それは僕も同じ考えだ。他人が用意した食事なんてなにが入っているか、わかったものじゃない。食器とて自分で管理しているものを使いたい」
与一の言葉に、少女が黙って耳を傾ける。
「だがな。そうやって僕の作ったご飯を拒み続ければ、お前はどのみち死んでしまうだろう」
「……しんでしまう?」
「そうだ。お前が生きようが死のうが僕個人としては、どうでもいい。しかしながら、お前を健康状態で生かしておくように頼まれている。よって、バランスのよい食事はとってもらう。いいな?」
少女は、与一がなにを言っているか、よくわからなかった。
ただ、目の前に置かれた食事からは、とてもいい香りが漂ってくる。
少女はそれらを口に含んでみたくなった。
「おいしそう」
「旨いにきまっているだろう。誰の手料理だと思っている」
「だれの?」
「僕に決まっているだろうが」
「……ヨイチがつくったの?」
「わかれば、さっさと食え。冷めてしまう前にな」
「なんだよ」
「……ひとから、モノをもらっちゃ、だめ」
箸には手をつけず、ただ、じっと食事を眺めている少女。
「たしかに。それは僕も同じ考えだ。他人が用意した食事なんてなにが入っているか、わかったものじゃない。食器とて自分で管理しているものを使いたい」
与一の言葉に、少女が黙って耳を傾ける。
「だがな。そうやって僕の作ったご飯を拒み続ければ、お前はどのみち死んでしまうだろう」
「……しんでしまう?」
「そうだ。お前が生きようが死のうが僕個人としては、どうでもいい。しかしながら、お前を健康状態で生かしておくように頼まれている。よって、バランスのよい食事はとってもらう。いいな?」
少女は、与一がなにを言っているか、よくわからなかった。
ただ、目の前に置かれた食事からは、とてもいい香りが漂ってくる。
少女はそれらを口に含んでみたくなった。
「おいしそう」
「旨いにきまっているだろう。誰の手料理だと思っている」
「だれの?」
「僕に決まっているだろうが」
「……ヨイチがつくったの?」
「わかれば、さっさと食え。冷めてしまう前にな」