キミ観察日記
歯磨きを終えたあと、部屋に戻ると、与一は携帯で幼児向けの歯磨き動画を流した。
「見ろ」
与一にいわれ、ぼんやり画面を眺める少女。
動画では、お母さんと歯磨きをしている女の子のアニメーションが流れている。
「わかるか? お前のやり方と全然違うだろ」
「うん」
「こんなのな。幼稚園で習うレベルのことだぞ」
「……ようちえん?」
「さてはお前、保育園育ちか」
「ほいくえん?」
「次からは僕は磨いてやらないからな。鏡をみて自分でやれよ」
「ヨイチ」
少女が与一をまっすぐに見つめる。
「ヨイチ、すごい」
「はあ?」
「ごはんもおいしいし。はみがきも、おいしい」
「歯磨きが美味くてどうする。そこは上手いだろ」
「うまい」
「俺が上手いんじゃなくて。お前が下手なんだ」
「ヨイチは、すごいね」
「見ろ」
与一にいわれ、ぼんやり画面を眺める少女。
動画では、お母さんと歯磨きをしている女の子のアニメーションが流れている。
「わかるか? お前のやり方と全然違うだろ」
「うん」
「こんなのな。幼稚園で習うレベルのことだぞ」
「……ようちえん?」
「さてはお前、保育園育ちか」
「ほいくえん?」
「次からは僕は磨いてやらないからな。鏡をみて自分でやれよ」
「ヨイチ」
少女が与一をまっすぐに見つめる。
「ヨイチ、すごい」
「はあ?」
「ごはんもおいしいし。はみがきも、おいしい」
「歯磨きが美味くてどうする。そこは上手いだろ」
「うまい」
「俺が上手いんじゃなくて。お前が下手なんだ」
「ヨイチは、すごいね」