キミ観察日記
少女の言葉に頬を染めた与一が、そっぽを向く。
「今日から長い夏休みに入る。そのあいだに、少しでも自分のことは自分でできるようになれ」
「じぶんのことを。じぶんで……」
与一が、少女を振り返る。
「食べ終わったものは、さげる。さげるってのは。洗い場まで片付けるってことだ。僕があらってやるから、きちんと持ってこい」
「うん」
「箸の持ち方も全然なってなかったな。それも覚えろ」
「うん」
「目上の人間への返事は、うんじゃなくて、はいだ」
「はいだ」
「……【だ】つけんな」
「今日から長い夏休みに入る。そのあいだに、少しでも自分のことは自分でできるようになれ」
「じぶんのことを。じぶんで……」
与一が、少女を振り返る。
「食べ終わったものは、さげる。さげるってのは。洗い場まで片付けるってことだ。僕があらってやるから、きちんと持ってこい」
「うん」
「箸の持ち方も全然なってなかったな。それも覚えろ」
「うん」
「目上の人間への返事は、うんじゃなくて、はいだ」
「はいだ」
「……【だ】つけんな」