キミ観察日記
「立派に育ちましたね。与一くん」
「いいえ。歪みきってしまいましたよ」
「それを私に言いますか」
「いや。これは……その、先生のせいと言いたいわけじゃなく」
「君はまっすぐです」
「生憎ですが。先生からみた【まっすぐ】は。わりと捻くれていますよ」
「ふふ。可愛いものです」
男が、与一の頭を撫でる。
「酔っていますか?」
「はい。少々嗜んできました」
「先生が酔うなら。かなりの量ですよね」
「君は私のことをよく知っていますね」
「知っているつもりで。そんなこともないのが悔しいです」
与一が男から顔を背けると、
「妬いているのですか?」
男が与一の顔を覗きこんだ。
「なっ……」
男の灰色の瞳に、与一が映る。
「いいえ。歪みきってしまいましたよ」
「それを私に言いますか」
「いや。これは……その、先生のせいと言いたいわけじゃなく」
「君はまっすぐです」
「生憎ですが。先生からみた【まっすぐ】は。わりと捻くれていますよ」
「ふふ。可愛いものです」
男が、与一の頭を撫でる。
「酔っていますか?」
「はい。少々嗜んできました」
「先生が酔うなら。かなりの量ですよね」
「君は私のことをよく知っていますね」
「知っているつもりで。そんなこともないのが悔しいです」
与一が男から顔を背けると、
「妬いているのですか?」
男が与一の顔を覗きこんだ。
「なっ……」
男の灰色の瞳に、与一が映る。