キミ観察日記
「なっ……なに入れ知恵されてんだよお前」
うろたえる与一に、少女が続けた。
「うれしいとき。やさしくされたとき。ありがとうだよ?」
「まあ。それは、そうだが」
「ヨイチだいすき」
「そ……そういう言葉はな。言わされて言うもんじゃないんだ」
「私は、【大好き】は教えていませんよ?」
すました顔でコーヒーを飲む男。
「……まったく。どこで覚えたんだか」
まんざらでもない与一。
「こくごの、ほん」
「教科書読んだのか。自分で」
「うん」
少女はこの家にやってきた頃に比べ、はるかに知恵をつけていた。
また、表情も豊かになった。
「今日は与一くんがゲームに付き合ってくれるそうですよ」
「げーむ?」
「私は、少し休んできますね。実はまだ一睡もしていないので」
「え、先生……?」
「センセイおやすみなさい」
「お休みなさい、紅花さん。きちんと時間を決めて、目一杯楽しんで下さいね」
うろたえる与一に、少女が続けた。
「うれしいとき。やさしくされたとき。ありがとうだよ?」
「まあ。それは、そうだが」
「ヨイチだいすき」
「そ……そういう言葉はな。言わされて言うもんじゃないんだ」
「私は、【大好き】は教えていませんよ?」
すました顔でコーヒーを飲む男。
「……まったく。どこで覚えたんだか」
まんざらでもない与一。
「こくごの、ほん」
「教科書読んだのか。自分で」
「うん」
少女はこの家にやってきた頃に比べ、はるかに知恵をつけていた。
また、表情も豊かになった。
「今日は与一くんがゲームに付き合ってくれるそうですよ」
「げーむ?」
「私は、少し休んできますね。実はまだ一睡もしていないので」
「え、先生……?」
「センセイおやすみなさい」
「お休みなさい、紅花さん。きちんと時間を決めて、目一杯楽しんで下さいね」