キミ観察日記
 男がいなくなったあと、与一は壁掛けのアナログ時計を指差す。

「いいか。長い方の針が、今、7だろ」
「うん」
「1のところには終わるからな。それで30分。キリが悪くても時間厳守だ」
「うん?」

 頭の上にはてなマークを浮かべる少女に、与一は時計も教えていかなきゃならないなと思い知る。

 キッチンタイマーのようなものがあっても切り替えに便利かもしれない。

 そんなことを考えていると、携帯にタイマー機能があったと思い出す。

「アラームで代用するのもありだがカウントダウンの方がみてわかりやすいか」

 そうつぶやき、セットした。

「この数字がだんだん小さくなっていく。ゼロになったら機械から音がなる。そしたらリモコンを置け。約束だぞ」
「うん!」
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