キミ観察日記
与一がフィルムから林檎飴を取り出し、かぶりつく。
「かたッ」
「大好物になりましたよね。わざわざ私が君のために手にいれて来たものですから」
「……あなたって人は」
「なぜ、そんなものが飛ぶように売れるんでしょう?」
「僕に聞かないでください」
「やはり、雰囲気でしょうか。屋台で売られている、真っ赤な印象的なお菓子。特別感とインパクトが決め手で、つい手を出してしまう」
「特別旨いってわけでもないですからね」
「そういえば、夏祭り会場のゴミ箱には食べかけの林檎が沢山捨てられているーーと耳にしたことがあります」
「まるごと林檎一つかじりたい人間なんて、そこまで多くもないないでしょうからね。それでも今だとSNS映え狙って食べきれないのに買う人も少なくないんじゃないですか。タピオカみたいに」
ふと、与一は、自分の作ったものを残さず食べる少女が愛らしく感じた。
「私が行った店では。真っ白なりんご飴もありました」
「それは珍しいですね」
「なんでも雪をイメージしているそうです。ミルクパウダーなどで」
「紅花がそれをみたら喜びそうです」
「あの子はダメですよ」
「……虫歯があるんですね?」
「かたッ」
「大好物になりましたよね。わざわざ私が君のために手にいれて来たものですから」
「……あなたって人は」
「なぜ、そんなものが飛ぶように売れるんでしょう?」
「僕に聞かないでください」
「やはり、雰囲気でしょうか。屋台で売られている、真っ赤な印象的なお菓子。特別感とインパクトが決め手で、つい手を出してしまう」
「特別旨いってわけでもないですからね」
「そういえば、夏祭り会場のゴミ箱には食べかけの林檎が沢山捨てられているーーと耳にしたことがあります」
「まるごと林檎一つかじりたい人間なんて、そこまで多くもないないでしょうからね。それでも今だとSNS映え狙って食べきれないのに買う人も少なくないんじゃないですか。タピオカみたいに」
ふと、与一は、自分の作ったものを残さず食べる少女が愛らしく感じた。
「私が行った店では。真っ白なりんご飴もありました」
「それは珍しいですね」
「なんでも雪をイメージしているそうです。ミルクパウダーなどで」
「紅花がそれをみたら喜びそうです」
「あの子はダメですよ」
「……虫歯があるんですね?」