キミ観察日記
「なんか。くさい」
「はあ?」
「へんなにおいする」
「どこがだよ。……いや、言われてみれば生臭いな」
少女のつぶやきで、与一がキッチンに向かう。
「ああ。原因は、これか」
与一が排水溝のネットを透明な袋に入れて縛ると蓋つきのゴミ箱に捨てた。
「生魚を三枚におろしたときのアレだな」
「くさい」
「いつもならちゃんと捨てるんだが……。お前に呼ばれたから中途半端のままキッチンから離れたんだろ。問題がわからないから教えろとかなんとか」
「ヨイチ、くさい」
「僕がくさいみたいに言うんじゃない」
少女が、雨音に耳をすませる。
「センセイかえってこなかったね」
「はあ?」
「へんなにおいする」
「どこがだよ。……いや、言われてみれば生臭いな」
少女のつぶやきで、与一がキッチンに向かう。
「ああ。原因は、これか」
与一が排水溝のネットを透明な袋に入れて縛ると蓋つきのゴミ箱に捨てた。
「生魚を三枚におろしたときのアレだな」
「くさい」
「いつもならちゃんと捨てるんだが……。お前に呼ばれたから中途半端のままキッチンから離れたんだろ。問題がわからないから教えろとかなんとか」
「ヨイチ、くさい」
「僕がくさいみたいに言うんじゃない」
少女が、雨音に耳をすませる。
「センセイかえってこなかったね」