敏腕専務はウブな彼女を染め上げたい~イジワルな彼の甘い言いつけ~
すべての料理を選び終えたら、観葉植物で仕切られた窓際の席に座り、そろって食べ始める。
とろとろの卵ときのこたっぷりのソースがとても美味しくて、思わず「ん~!」と声を漏らして頬を緩めた。社食でこんなにいいご飯を安く食べられるなんて、羨ましい……。
すると、向かい側に座っている烏丸さんが、微笑ましげに私を見ていることに気づく。
「森次さん、表情がほわ~ってしてる」
「え……」
「あ、すみません。仕事のときの真面目な顔しか見たことがなかったから」
今、そんなに顔に出ていたのか。というか、やっぱりいつも表情が硬いんだなと実感して、苦笑を浮かべた。
「普段からあまり愛想はいいほうではないんです」
「そんなことないですよ。控えめな笑顔が癒し系だなと思ってました。それに、美味しそうにご飯を食べる人、僕は好きです」
黒フレームの眼鏡の奥に、私をまっすぐ見つめる瞳があって、心臓が揺れ動いた。反対に、私の隣の生巳さんと、慧子さんはぴたりと一時停止する。
恋愛の意味じゃないとわかっていても〝好き〟の単語には動揺してしまい、「あ、ありがとう、ございます……」と、たどたどしく返した。
とろとろの卵ときのこたっぷりのソースがとても美味しくて、思わず「ん~!」と声を漏らして頬を緩めた。社食でこんなにいいご飯を安く食べられるなんて、羨ましい……。
すると、向かい側に座っている烏丸さんが、微笑ましげに私を見ていることに気づく。
「森次さん、表情がほわ~ってしてる」
「え……」
「あ、すみません。仕事のときの真面目な顔しか見たことがなかったから」
今、そんなに顔に出ていたのか。というか、やっぱりいつも表情が硬いんだなと実感して、苦笑を浮かべた。
「普段からあまり愛想はいいほうではないんです」
「そんなことないですよ。控えめな笑顔が癒し系だなと思ってました。それに、美味しそうにご飯を食べる人、僕は好きです」
黒フレームの眼鏡の奥に、私をまっすぐ見つめる瞳があって、心臓が揺れ動いた。反対に、私の隣の生巳さんと、慧子さんはぴたりと一時停止する。
恋愛の意味じゃないとわかっていても〝好き〟の単語には動揺してしまい、「あ、ありがとう、ございます……」と、たどたどしく返した。