敏腕専務はウブな彼女を染め上げたい~イジワルな彼の甘い言いつけ~
「花乃のことを話したのか。どこまで?」
「桐原と同じ会社ってことしか教えてない。ただ、森次さんとふたりで話したがってたから、〝今ひとりで帰ったよ〟ってさっき連絡した」
それを聞いて、危機感が募る。
きっと常に俺がついていたから、花乃がひとりになる瞬間を待っていたのだろう。つまり、小金井美香はあれからも俺たちの行動を見ていたことになる。
いけない、早く花乃のもとへ行かなければ。ここまで俺たちに執着しているのだ、復讐心からなにをしでかすかわからない。
焦燥に駆られて勢いよく立ち上がると同時に、烏丸がひとり言のように言う。
「あの女、なんかヤバそうだよなぁ。執着の仕方が異常だし、前もガラの悪い男たちとつるんでるっぽかったし。森次さんが無事だといいけど」
危機感をさらに煽られた俺は、奴に近づいて胸倉を掴んだ。突然ケンカが始まりそうな様子を見て周りがどよめき、慧子は「ちょっ、生巳!」と止めようとする。
俺は構わず、あまり動じていない烏丸に、怒りを込めた視線を突き刺す。
「危ないとわかっていて、なぜ教えた?」
「お前を正義のヒーローにしてやろうかなって。今助けに行けば、株が爆上がりするよ」
「桐原と同じ会社ってことしか教えてない。ただ、森次さんとふたりで話したがってたから、〝今ひとりで帰ったよ〟ってさっき連絡した」
それを聞いて、危機感が募る。
きっと常に俺がついていたから、花乃がひとりになる瞬間を待っていたのだろう。つまり、小金井美香はあれからも俺たちの行動を見ていたことになる。
いけない、早く花乃のもとへ行かなければ。ここまで俺たちに執着しているのだ、復讐心からなにをしでかすかわからない。
焦燥に駆られて勢いよく立ち上がると同時に、烏丸がひとり言のように言う。
「あの女、なんかヤバそうだよなぁ。執着の仕方が異常だし、前もガラの悪い男たちとつるんでるっぽかったし。森次さんが無事だといいけど」
危機感をさらに煽られた俺は、奴に近づいて胸倉を掴んだ。突然ケンカが始まりそうな様子を見て周りがどよめき、慧子は「ちょっ、生巳!」と止めようとする。
俺は構わず、あまり動じていない烏丸に、怒りを込めた視線を突き刺す。
「危ないとわかっていて、なぜ教えた?」
「お前を正義のヒーローにしてやろうかなって。今助けに行けば、株が爆上がりするよ」