敏腕専務はウブな彼女を染め上げたい~イジワルな彼の甘い言いつけ~
すると、裏の道のほうからなにやら声がする。そこへ駆けつけた瞬間、目を見開いた。
ガラの悪い大柄な男が、嫌がる花乃の肩をがっしりと掴んで車に連れ込もうとしているのだ。その脇には、腕組みをして眺める小金井美香の後ろ姿がある。
一気に頭に血が上り、彼女のもとへ一目散に向かう。
「花乃!」
「……生巳さん……っ」
恐怖と焦りに満ちた表情の彼女は、俺を見て少しの希望をその瞳に宿す。
こちらを振り向いた美香は、サッと顔色を変えた。男も俺に気を取られ、訝しげな顔をして動きを止める。
「きっ……桐原さん!?」
「なんだお前。これからいいところなんだから邪魔すん──」
いろいろと言っている男の顔面、特に目を狙って、開いた手の裏側で強く叩いた。目潰しをされた彼は、驚きと痛さで声を上げて花乃から手を離す。
すぐさま彼女を逃がすと、男は無様にも俺に向かってくる。殴りかかってきたところをかわし、逆に腕を捕まえて背負い投げしてやった。
その拍子に、カシャン、と眼鏡が落ちる。そんなのは気にもせず、男の腕を捻り上げて地面に押さえ込んだ。
ガラの悪い大柄な男が、嫌がる花乃の肩をがっしりと掴んで車に連れ込もうとしているのだ。その脇には、腕組みをして眺める小金井美香の後ろ姿がある。
一気に頭に血が上り、彼女のもとへ一目散に向かう。
「花乃!」
「……生巳さん……っ」
恐怖と焦りに満ちた表情の彼女は、俺を見て少しの希望をその瞳に宿す。
こちらを振り向いた美香は、サッと顔色を変えた。男も俺に気を取られ、訝しげな顔をして動きを止める。
「きっ……桐原さん!?」
「なんだお前。これからいいところなんだから邪魔すん──」
いろいろと言っている男の顔面、特に目を狙って、開いた手の裏側で強く叩いた。目潰しをされた彼は、驚きと痛さで声を上げて花乃から手を離す。
すぐさま彼女を逃がすと、男は無様にも俺に向かってくる。殴りかかってきたところをかわし、逆に腕を捕まえて背負い投げしてやった。
その拍子に、カシャン、と眼鏡が落ちる。そんなのは気にもせず、男の腕を捻り上げて地面に押さえ込んだ。