敏腕専務はウブな彼女を染め上げたい~イジワルな彼の甘い言いつけ~
でも、これじゃただの駄々っ子かな……と若干弱気な思いが過ぎったとき、エイミーが社長のデスクに両手をつき、真剣に訴える。


「パーフェクト・マネジメントにとっても、カノちゃんは必要ですよね」

「ああ。営業部の中でもよくやってくれているし、森のお花に癒されて作業効率が上がってる男もいるだろうし」

「それはないです」


社長までエイミーみたいなことを言うので、つい食い気味に茶々を入れてしまった。

自分としては真面目に働いているつもりだから、それを認めてもらえているのは素直に嬉しいけれど、地味な私の存在がそんなにいい影響をもたらしているわけないですよ……。

今のは社長のジョークだな、と結論づけていると、彼は力強く綺麗な瞳で私を見つめる。


「なにより、自分がここで働いていたいんだろう? だったらその意思をできるだけ尊重してやりたいと、俺は思ってるよ」

「社長……」


とてもありがたいお言葉に、ちょっぴり胸がじんとした。

不破社長は少々変わり者で頭のキレる人だが、皆から慕われているのはこういう社員思いなところが大きいのだと改めて感じる。
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