敏腕専務はウブな彼女を染め上げたい~イジワルな彼の甘い言いつけ~
「あの社長、わざと花乃に接近するところを見せつけて、私を挑発しましたね……。今後もこうやって楽しまれるのかと思うと憂鬱だ」
眼鏡の奥の瞳は、社長にじとっとした視線を送り続けていて、紳士の皮が剥がれかかっている。
ふたりの仲のよさは、相変わらずひとことでは言い表せない。けれど、信頼し合っているのはよくわかるので、私はクスッと笑った。
「社長が両親の会社のことまで把握しているとは、びっくりでした。おかげで、お互いにお見合いをさせられることはなくなりますね」
「ええ。代わりに別のことを急かされそうですが」
私たちもオフィスに向かって歩きながら話していると、生巳さんが気になる発言をした。〝別のこと〟というのはなんだろう。
彼は魅惑的な笑みを浮かべ、キョトンとしている私を見下ろす。
「またご両親にお会いさせてください。今度は、結婚の挨拶になってもいいですか?」
「けっ──!?」
結婚!? これって……一応、プロポーズ?
眼鏡の奥の瞳は、社長にじとっとした視線を送り続けていて、紳士の皮が剥がれかかっている。
ふたりの仲のよさは、相変わらずひとことでは言い表せない。けれど、信頼し合っているのはよくわかるので、私はクスッと笑った。
「社長が両親の会社のことまで把握しているとは、びっくりでした。おかげで、お互いにお見合いをさせられることはなくなりますね」
「ええ。代わりに別のことを急かされそうですが」
私たちもオフィスに向かって歩きながら話していると、生巳さんが気になる発言をした。〝別のこと〟というのはなんだろう。
彼は魅惑的な笑みを浮かべ、キョトンとしている私を見下ろす。
「またご両親にお会いさせてください。今度は、結婚の挨拶になってもいいですか?」
「けっ──!?」
結婚!? これって……一応、プロポーズ?