敏腕専務はウブな彼女を染め上げたい~イジワルな彼の甘い言いつけ~
専務は社長の後輩で十年以上の付き合いになるそうで、信頼し合っているからこそお互い歯に衣着せぬ物言いをするし、社長が課すミッションも遠慮がない。
だからって桐原専務に私の恋人役をさせるなんて……そんな、そんなの……
めちゃくちゃオイシイ展開じゃないですか!
社長がどうして専務を指名したのかはわからない。けれど、仕事の用件を話すときや、少し離れた場所からひっそりと見つめているだけだった眼鏡王子を、もっと近くでじっくり拝見したい……と密かに思っていた私にとって最高のチャンスです! ありがとうございます!
……と、不謹慎にも舞い上がったのは一瞬で。とはいえさすがに無理があるだろう、とすぐに現実に引き戻された。
専務はシャープな顎に手を当てて思案している。
「私が恋人のフリをして森次さんのお母様を騙せと……。ダメでしょう、普通に」
「上司なら部下を守ってやれよ」
「それとこれとは別です」
宥めるように言う社長に、専務はきっぱりと放った。
そりゃあ当然受け入れられないですよね、嘘の片棒を担ぐことになるのだから。しかも、相手は冴えない女だし。
だからって桐原専務に私の恋人役をさせるなんて……そんな、そんなの……
めちゃくちゃオイシイ展開じゃないですか!
社長がどうして専務を指名したのかはわからない。けれど、仕事の用件を話すときや、少し離れた場所からひっそりと見つめているだけだった眼鏡王子を、もっと近くでじっくり拝見したい……と密かに思っていた私にとって最高のチャンスです! ありがとうございます!
……と、不謹慎にも舞い上がったのは一瞬で。とはいえさすがに無理があるだろう、とすぐに現実に引き戻された。
専務はシャープな顎に手を当てて思案している。
「私が恋人のフリをして森次さんのお母様を騙せと……。ダメでしょう、普通に」
「上司なら部下を守ってやれよ」
「それとこれとは別です」
宥めるように言う社長に、専務はきっぱりと放った。
そりゃあ当然受け入れられないですよね、嘘の片棒を担ぐことになるのだから。しかも、相手は冴えない女だし。