敏腕専務はウブな彼女を染め上げたい~イジワルな彼の甘い言いつけ~
森次さんがあまり男慣れしていないのはなんとなくわかっていたから、逃げ出そうとした理由には納得する。
それより、普段は感情の起伏をほとんど露わにしない彼女の、知らなかった一面を次々に見られることが新鮮で。しかも、その愛らしさに胸をくすぐられるものだから、ついクスッと笑いがこぼれた。
悶えていた彼女は、そんな俺を見て嘲笑を漏らす。
「笑えますよね、この歳になってこれくらいのことで取り乱すなんて……」
「いえ、可愛いなと思って」
眼鏡を押し上げてストレートな言葉を紡ぐと、肩を落としていた彼女は、驚いたようにこれでもかというほど目を見開いた。
「いつもおとなしくて、黙々と働いている森次さんが、こんなに表情をコロコロと変えるのは初めて見たので嬉しいです。それに、男性経験がなくても、なにも気後れする必要はありませんよ。むしろ……」
〝男としては、自分色に染め上げられるのを嬉しく思う〟
……なんて、正直すぎる心理は胸の中に留めておこうと、言葉を飲み込んだ。恥ずかしがる姿も愛おしく感じるものだ、という本音も。
それより、普段は感情の起伏をほとんど露わにしない彼女の、知らなかった一面を次々に見られることが新鮮で。しかも、その愛らしさに胸をくすぐられるものだから、ついクスッと笑いがこぼれた。
悶えていた彼女は、そんな俺を見て嘲笑を漏らす。
「笑えますよね、この歳になってこれくらいのことで取り乱すなんて……」
「いえ、可愛いなと思って」
眼鏡を押し上げてストレートな言葉を紡ぐと、肩を落としていた彼女は、驚いたようにこれでもかというほど目を見開いた。
「いつもおとなしくて、黙々と働いている森次さんが、こんなに表情をコロコロと変えるのは初めて見たので嬉しいです。それに、男性経験がなくても、なにも気後れする必要はありませんよ。むしろ……」
〝男としては、自分色に染め上げられるのを嬉しく思う〟
……なんて、正直すぎる心理は胸の中に留めておこうと、言葉を飲み込んだ。恥ずかしがる姿も愛おしく感じるものだ、という本音も。