敏腕専務はウブな彼女を染め上げたい~イジワルな彼の甘い言いつけ~
「私と近づきたくない素振りだったのに、無自覚に誘惑してくるとは、悪い子ですね」

「そ、そ、そんなんじゃありません!」


顔を真っ赤にして否定するのも、心の中に潜む征服欲を軽く煽られる。細い腕を引いて、バランスを崩した彼女をベッドに組み敷いた。

彼女が俺を拒むのは〝嫌よ嫌よも好きのうち〟であってほしい、という願いも込めつつ、熱を孕んだ瞳で見下ろす。


「あまのじゃくな態度ばかり取る子には、お仕置きをしようか」


やや挑発的な声を紡ぐと、瞠目する彼女の大きな黒目が揺れた。

動揺を露わにするその瞳は潤んでいて、下がった眉も、紅潮した頬も、俺の胸をざわめかせる。


「ごめん、なさい……」


厚めの唇が小さく動き、弱々しく呟いた。

泣きそうな表情で謝られるとゾクゾクする。……って本当に変態だな、と自分に呆れる。

とはいえ、俺がこうなるのは好意を抱く相手に対してだけだ。それに、相手に不快感を抱かせるほどの悪さや、もちろん身体的苦痛を与えることなど絶対にしない。

森次さんは、どうも心底嫌がっている様子ではないから構いたくなってしまうのだ。
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