敏腕専務はウブな彼女を染め上げたい~イジワルな彼の甘い言いつけ~
広場には見事なソメイヨシノが何十本も咲き乱れていて、その風情に久々にゆっくりと浸った。
しかしそれよりも、繋いだ手の柔らかなぬくもりや、楽しそうな声、桜を見上げて破顔する彼女のすべてに意識が持っていかれる。
花乃さんがこんなに明るく笑う人だと、数週間前までは気がつかなかった。
まったく地味な子ではない。咲き誇る桜に見劣りしないくらい、俺にとっては素敵な女性だ。
そんな彼女が、なぜかとびきり生き生きする場面に出くわした。花見をしたあと、街中を歩いていたときに見かけた眼鏡屋で。
眼鏡は毎日身につけているものだからつい目が行ってしまうのだが、花乃さんまでかなり乗り気で見ていて驚いたのだ。
しかも『生巳さん、図々しいお願いをしてもいいですか……?』と遠慮がちに言われ、なにをするのかと思いきや、黒縁眼鏡を手渡されるではないか。
頼まれた通りにかけてみると、『あっ……素晴らしいです……!』となぜか褒められた。
彼女は両手で顔を覆っていたので表情はわからなかったが、ひとまず満足したらしい。謎だ。
とりあえず、いつもの物静かな雰囲気とは明らかに違い、行動が積極的でよくしゃべっている新たな一面を発見できて面白かった。
しかしそれよりも、繋いだ手の柔らかなぬくもりや、楽しそうな声、桜を見上げて破顔する彼女のすべてに意識が持っていかれる。
花乃さんがこんなに明るく笑う人だと、数週間前までは気がつかなかった。
まったく地味な子ではない。咲き誇る桜に見劣りしないくらい、俺にとっては素敵な女性だ。
そんな彼女が、なぜかとびきり生き生きする場面に出くわした。花見をしたあと、街中を歩いていたときに見かけた眼鏡屋で。
眼鏡は毎日身につけているものだからつい目が行ってしまうのだが、花乃さんまでかなり乗り気で見ていて驚いたのだ。
しかも『生巳さん、図々しいお願いをしてもいいですか……?』と遠慮がちに言われ、なにをするのかと思いきや、黒縁眼鏡を手渡されるではないか。
頼まれた通りにかけてみると、『あっ……素晴らしいです……!』となぜか褒められた。
彼女は両手で顔を覆っていたので表情はわからなかったが、ひとまず満足したらしい。謎だ。
とりあえず、いつもの物静かな雰囲気とは明らかに違い、行動が積極的でよくしゃべっている新たな一面を発見できて面白かった。