私を、好きでいてくれた人

「電車で会っても気まずくすんなよ?ちゃんと声かけろよ?」


「あ…うんっ、そっちもね?」


「まぁー…酔っ払ってなければな?」


「ちょっ…小林くん!」


「あははっ」


小林くんは顔全体でクシャっと笑った。

私はなんだか、その笑顔を見れた事が嬉しかった。


「じゃ、今日はこれで」


「うん、ありがとう」


「あぁ、ちゃんと歯磨けよ?」


「磨くよっ」


「ははっ、じゃぁ…またな?早瀬っ」


「うん、またね?小林くん」


そう言って私達は軽く手を振りあった。

そして再度、私の足はアパートに向かった。

今日は一日でいろんな事があったけど、結果暗く部屋に帰らなくて済んだな…。

小林くんに会ったおかげだな…。

私は、携帯画面の小林くんの連絡先を見る。

初めてだな、男友達って…。

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