私を、好きでいてくれた人
私はベンチに座っている小林くんの前に立った。
「小林くんっ」
「お…来た来た」
「もー…ビックリしたよ」
「いや、こっちもビックリだわ、昼近くまで寝てる早瀬に」
「だから…勝手にいろんなイメージ作らないでよっ」
「しょうがないだろ?片思いしてた男なんてそんなもんだよ」
「…そうですか」
昨日言ってた”早瀬のこと好きだった”って、
本当だったんだ。
今日聞いて改めて実感…。
でも、今はなんとも思ってないんだよね?
そう思って、私は小林くんを見る。
「……なんだよ?」
「あ…いや、スーツと私服の時、違うなと思って」
「あー…スーツは仕事着だからな、普段はこんなラフな感じだよな」
「そっか、そうだよね」
私服姿の方が、高校の頃の小林くんに近いかな?