私を、好きでいてくれた人
「じゃ、行くか?」
「えっと、どこへ?」
「とりあえず電車乗る」
「うん…」
そして私達は電車に乗った。
土曜なだけあって、少し車内は混んでいて、私達は出入り口付近のてすりにつかまって立っていた。
「やっぱ混んでるな?」
「ね?でも朝の通勤ラッシュよりはマシかも」
「あー…だな?」
「うん」
すると、小林くんが私の服装に目線を動かしていた。
「え…なに?」
服装変!?
仕事の時と、あんまり変わらないけどな…ヒールはやめてるけど、
「俺としては…ワンピースの方が良かったな」
「……はい!?小林くんが動きやすい恰好って言ったんじゃんっ」
「あれ?そうだっけ?」
「もうっ」
「ははっ」
そう言って小林くんは楽しそうに笑っていた。