私を、好きでいてくれた人

「喜ぶだろうなぁ~あの頃の俺が、今日の光景見たら」


「えっ…?」


「俺の学生の頃の夢だったんだよ、”好きな人とプラネタリュウムに来ること”」


「……好きな人と」


「これで俺の夢叶ったよ、ありがとな?早瀬っ」


「……」


「始まるぞ」


「うん…」


そう言うと小林くんは、星が映し出されるであろう天井を見上げた。

そして館内が暗くなり、私達は映しだされる星を見つめる。


”好きな人とプラネタリュウムに来ること”

”好きな人”というか、好きだった人は私で……。


つまり、小林くんは私とプラネタリュウムに来たかった…?

だから、小林くんの夢が叶った?…ってこと?


私は暗い館内の中チラッと小林くんの横顔を見た。

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