私を、好きでいてくれた人
こんな距離で小林くんといること、きっとあの頃の私も驚いてるはず…。
小林くんはどちらかというと、男子に囲まれてるような人だった。
三年の時は、彼女がいる様子はなかったなぁ。
私の事を好きだったったって…いつからなんだろう…?
なにがきっかけで?
私の…どこが良かったんだろう。
そんなことを思いながら私はプラネタリュウムの星空を見つめた。
そして数十分後、上映が終了したアナウンスが流れて館内も明るくなった。
「終わった…綺麗だったなぁ…ね?小林くん」
そう言って隣の小林くんを見ると、小林くんの頭が私の方に斜めに下がっていた。
えっ…まさか、寝てる!?
「ちょっと小林くんっ!」
私は小林くんの肩を揺らした。
すると、小林くんの頭がゆっくり上がる。
「……え?」
「”え?”って…寝てたでしょ?」
「ふぁー…ヤベ、寝てた悪いっ」
笑ってそう言いながら、小林くんは私の方を見てきた。
「あのねー…小林くんが誘ったんだよね?夢だったんだよね?」
私の口元は、きっと引きつっていた。
「そうっ、夢叶ってマジで嬉しいよ早瀬、でもなんかアナウンスと音がさぁ~あれだな、リラクゼーション効果だなっ」
「……っ!」
まるで悪気のなさそうな小林くんの態度に、私は怒るのもバカらしくなった。