私を、好きでいてくれた人
「はぁー…とにかく出よう」
「あぁ…うん」
そう言って私達は立ち上がり、出入り口へと向かった。
そして建物の外に出ると、小林くんは背伸びをした。
「んーー…はぁー…」
なんか、小林くんがなに考えてるのか考えるのバカらしく思えてきた。
「なぁ、早瀬っ」
「……なに?」
私は少し眉間にシワが寄っていたかもしれない。
「悪かったって、怒ってんのか?」
「……別に怒ってないよ?でも寝ながら夢叶えるって、器用だよね~小林くんって」
私は嫌味ったらしく、そう口にした。
すると小林くんは、私の前で両手を合わせて少し頭を下げてきた。
「本当悪かったって、夕飯おごるからさっ、本当ごめんっ!」