私を、好きでいてくれた人

私はつり革に捕まって、立ちながら電車の窓の外を見た。


そしてドアが開き、人が入ってくる。


小林くんは、私を見つけたら声をかけてくる。


乗車する人が落ち着いた所で、電車が発進した。


今日…いないのかな?


そう思って再び窓の外を見ると、誰かに肩をたたかれた。


「早瀬っ」


その声に私は振り向く。


「小林くん、乗ってたんだ」


「隣の車両から来た、入口が混んでてさ」


「そっか、お疲れ」


「あぁ、そっちもお疲れ」


「まだ水曜だねー」


「なぁ?長いよっ」


「ははっ」


< 34 / 99 >

この作品をシェア

pagetop