私を、好きでいてくれた人
「封筒…?ラブレター的な?ふふっ…今時それはないっか…」
そう思って、飛び出ていた封筒を指で中に押し込もうとすると、封筒の送り主の名前が見えてしまった。
「……"瞬”って…」
まさか…。
次の瞬間、私の手は勝手に動いてしまい、
その封筒を鞄の中から抜いてしまった。
その封筒の送り主は…。
「……"古田瞬”……」
その隣には、私の知らない女性の名前が並んでいた。
表には"小林勇人 様”と記されていた。
これ…結婚式の招待状だ…古田の。
私はすぐに、小林くんの鞄の中に招待状を戻すと、少し離れたところにいる小林くんが、電話を切りこっちに戻ってこようとしていた。
私の心臓が、ドックンドックンと強く脈を打つ。
「まだ…だったんだ、結婚式…」
……だからどうしたんだろう?
だったら、なんだって言うの?
古田はもう、私の知らない人と結婚する…。