私を、好きでいてくれた人
「悪いっ、友達だった早瀬も知ってる…」
小林くんが話してる途中で、私は立ち上がった。
「ごめん!私もう行くねっ」
「えっ…?」
そう言って私は、小林くんんの横を通り過ぎようとする。
「いや…ちょっと待てって!」
そう言いながら小林くんは、私の腕を掴んできた。
「どうした?急に…体調でも悪いのかよ?」
「そうじゃないけど…今日は帰る」
「でも急にだろ?なんかあったのかよ?」
「……」
小林くんに言ったところで、どうしようもない…。
頭では、そう分かってたのに…。
「まだ…だったんだね?」
「え…?」
「……結婚式……」
「……っ!」
すると、私の腕を掴んでいた小林くんの手がすっ…と離れた。
「ごめん…見るつもりなかったんだけど…落ちそうになってて…」
「そっか……帰り出そうと思ってそのまま鞄に入れてしまってたな…」