私を、好きでいてくれた人

回想ー恋心ー

できることならば、泣いている早瀬の肩を…強く、抱きしめたかった。


素直に…そう思った。


その時、自分の気持ちにハッキリと気づいた。


俺は再び早瀬のことを、好きになっている自分に…。


けど、強く抱きしめることはできなかった。


ただ、うっかり口が滑ってしまった。


"今の早瀬も俺は好きだな”


そう、口にしてしまった。


自分でもビックリするぐらい、自然に…。


なんとかごまかしたけど、早瀬はどう思っただろうか？


俺の気持ちに気づいて、もう話してくれないんじゃないか、少し心配になった。


あの頃のように、どうして気持ちを抑えられなかったんだろう？


それはきっと、今の早瀬の前に古田がいないから？


そう…思い出した。