私を、好きでいてくれた人

あの頃、古田が二年になった頃から言ってた。


ーーーー


ー高校二年の春ー


一年の頃から、共通の友達がいたことで、クラスは違うけど、古田とはよく集まるグループが一緒だった。


"親友”まではいかないけど、まぁ普通に友達だった。


古田はイケメンのくせに、ちょっとシャイで自分からはなかなか女子に声をかけたりしなかった。


そんな古田が、ある日突然照れたように口にした。


「同じクラスに早瀬っているんだけど…どう思う?」


「……は?どう思うってなんだよ?俺はクラス違うし、顔ぐらいなら見たことあると思うけど、どれ?」


俺達は、古田の教室前の廊下から教室の中を見た。


「あのー…今黒板消してる、確か今日日直なんだ」


「あー…まぁ、見たことはある」


「けっこう…可愛くない?」


「えっ?うーん…まぁ普通に可愛いな?おまえのクラスじゃ一番?」


「んー…と思う」


「……なんだよ?っていうか、何が言いたいんだよ?好きなわけ?」


俺がそうハッキリ口にすると、古田は耳を真っ赤にして驚いた顔をした。


「えっ…!?いや別にそういうんじゃ…」


「……」


分かりやすっ。


正直そう思った。


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