私を、好きでいてくれた人

それから古田は、会う度早瀬を目で追っていた。


古田のクラスの早瀬麻友は、まぁ…確かに可愛い。


黒髪のストレートヘアが胸のあたりまであって、目もパッチリしてる。


友達と笑いあってる笑顔とか、けっこう可愛かった。


でもクラスの違う俺には、ただの友達の思い人なだけだった。



ーーなのに、何がきっかけかは分からない。


気づいたら、俺も古田の視線の先の早瀬を目で追っていた。


向こうは、クラスの違う俺のことなんて分からないだろうな。


古田と同じグループの一人として、認識してるぐらいだろうな多分。


自分の視線の先が恋愛感情かどうかなんて、まだ分からなかった。


三年になるまでは。


< 63 / 99 >

この作品をシェア

pagetop